コラム
東京でドローンを飛ばす時に気をつけたいこと
投稿日/2019.12.30
東京で、特に屋外でドローンを飛ばす場合、飛行許可の申請が必要です。
しかし、飛行許可が降りさえすれば「これでもう安心。自由に飛ばせる!」というわけにはいきません。
飛行許可を得てもなお、東京でドローンを飛ばす時に気をつけたいことはまだまだあります。
「え?飛行許可以外にもあるの?」と思うかもしれませんね。
しかし、飛行時のトラブルを避けるためには、大事なことです。
では、東京でドローンを飛ばす時、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。
飛行禁止エリアを確認する
実は、東京にはドローンの飛行が全面的に禁止されている場所がいくつもあります。
例えば、以下の施設の半径300メートル以内で飛行することはできません。
・内閣府、衆議院、参議院などの政治関係の施設
・皇居
・防衛施設
・原子力事業所
・警視庁
・空港
「国の重要施設が並んでいる」と思いませんか?
これらの場所は「小型無人機等飛行禁止法」によって、全面的にドローンの飛行が禁止されています。
「ドローン」「国の重要施設」というキーワードから「テロ対策だ」と想像ができますよね。
つまり、この法律は「重要施設付近でドローンを飛ばすと、テロ行為とみなすよ」という警告とも言えます。
実際、違反者が一発で書類送検になった事例もあるので、処置が厳しい法律なのです。
もっとも、飛行許可を得ている時点で、飛行禁止エリアに抵触することはまずないでしょう。
しかし、ドローンが制御不能になるなど「うっかり禁止区域に入ってしまった」では済まされないことは、念頭に置いておきたいものです。
警視庁のホームページでは、小型無人飛行等禁止法の対象となるエリアが公開されています。
都立公園は全面的に禁止
都立公園は広々としたものが多いので、ドローンを飛ばすにはもってこいの環境です。
しかし、残念ながら都立公園でドローンを飛ばすことは禁止されています。
都立公園条例によって、「公園でドローンを飛ばすことは迷惑行為に該当するため禁止」と定められているからです。
ここで注意したいのは、トイドローンの場合はどうなのかということ。
200g未満のトイドローンは飛行許可の必要がないという話を聞いたことがありませんか?
なので「トイドローンは許可を得なくても自由に飛ばせる……」と思いますよね。
ところが「規制対象外=自由に飛ばせる」と思ってしまうところに落とし穴があります。
なぜなら、飛行許可の必要がないのは「改正航空法における規制」に過ぎないからです。
改正航空法の範疇では飛行許可の申請が必要なくても、別の法律まで規制外とは言ってないわけです。
つまり、都立公園でトイドローンを飛行させるのは「改正航空法としてはセーフだけど、公園条例としてはアウト」ということなのです。
屋内ならばともかく、東京の屋外でドローンを飛ばす場合は、飛行許可申請がまず必要になると考えて差し支えないでしょう。
では、飛行禁止エリアを除外し、いよいよ飛行許可を得ることができたとしましょう。
ドローンを飛ばす当日に気をつけるべきことはなんでしょうか。
30メートルの距離はどれくらい?
ドローンを飛ばすとき、第三者または建物から30メートルの距離を離さなくてはなりません。
人口が多く、高層建築物も多い東京では、このルールには特に気を使うかもしれません。
しかし、30メートルの距離とは、どれくらいのものなのでしょうか。
正確に図るのは難しいですよね。
バスケットコートの長辺は、28 メートルに相当します。
また、オフィスビルであれば7~8階分程度。
一般マンションであれば10階分に相当します。
具体的なものに置き換えると、距離感がだいぶイメージしやすくなるのではないでしょうか。
場所・地形によって風速が違う
風速5メートル以上の場合、ドローンは飛行させるべきでないとされています。
強い風にドローンが流されてしまうこともあるからです。
このため、風速計は必需品とも言えますが、風速5メートルとはどの程度のものでしょうか。
・顔に風を感じる
・木の葉が絶えず揺れる
・川では小波が立つ
上記が風速5メートルの目安です。
自転車に乗った時に感じる風圧も、おおよそ風速5メートル程度と言われています。
一言で言うと「そこそこ強い風」といったところでしょうか。
ただし、風は場所によって風速が違うものです。
特に上空に上がるほど、風は強くなる傾向があります。
地上では風速5メートル以下であっても、上空はそれ以上であっても不思議ではありません。
また、ビル風と言われるように、ビルとビルの隙間は風の流れが速くなります。
ドローン飛行時は、周辺の地形から風の影響を考慮しなくてはならないのです。
バッテリーの温度
雨が降りそうな環境で飛ばさないのはもちろんですが、特に冬場に飛ばす際に気をつけたいのがバッテリーの温度。
10℃以下になってしまうと、突然バッテリー切れを起こす原因になりかねません。
バッテリーを温めてから飛ばします。
冬場は空気が澄んでいることもあり、空撮にはちょうどいい季節とも言えます。
そんな時こそ、機体の入念なメンテナンスが必要です。
時にはやめる勇気を持つ
ドローンの飛行許可の申請を得るには、意外と時間がかかります。
申請が複数の機関にまたがる上に、必要な書類も複数……。
東京でドローンを飛ばすのは、はっきり言って「飛ばすまでがかなり面倒」なのです。
なので、当日の天候が悪くて飛行できなかったりすると「苦労が全く報われない」と感じるかもしれません。
それでも、事故を起こさないためには飛行をやめる勇気も必要です。
東京で空撮をしようと思ったら、飛行許可を得ても十分な注意を!