コラム
2026年改正後の小型無人機等飛行禁止法|都内でe-Gov事前通報を行った実例
投稿日/2026.07.25
この記事の目次
2026年改正後の小型無人機等飛行禁止法
都内の対象施設周辺で初めてオンライン通報を行いました
2026年7月14日、改正された「小型無人機等飛行禁止法」が施行されました。
今回の改正では、対象施設周辺地域が、原則として対象施設の敷地・区域と、その周囲おおむね1,000メートルまで拡大されました。東京都内では対象となる範囲がかなり広くなり、これまで対象外だった飛行場所が、改正後は対象施設周辺地域に入っている場合があります。
改正後、当方でも初めて対象地域内での飛行を行いました。この記事では、その際に行った確認と事前通報の流れを、実際の経験をもとに紹介します。
本稿は一事業者による実体験の記録です。対象施設、飛行場所、飛行目的などにより、必要な同意や通報先が異なる場合があります。実際の飛行にあたっては、警察庁、防衛省、国土交通省、管轄警察署などの最新情報をご確認ください。
まず、飛行場所が対象地域内か確認する
最初に確認するのは、予定している飛行場所が、小型無人機等飛行禁止法の対象施設周辺地域に入っているかどうかです。
私は主に、次の二つの地図を確認しています。
- 国土交通省のDIPS2.0
- 警察庁から案内されている国土地理院「地理院地図」
以前、二つの地図で表示される範囲が一致しないように見えたことがあったため、現在も一方だけで判断せず、両方を確認するようにしています。


DIPS2.0で航空法上の飛行許可・承認を確認していても、それだけで小型無人機等飛行禁止法の手続まで完了するわけではありません。航空法上の許可・承認と、小型無人機等飛行禁止法上の同意・事前通報は、別々に確認する必要があります。
今回は在日米軍関連施設の周辺地域に該当
具体的な住所は明かせませんが、今回の飛行場所は、在日米軍関連施設に係る対象施設周辺地域に該当していました。
そこで、防衛省の「小型無人機等飛行禁止法関係」のページを確認し、在日米軍施設周辺で飛行する場合の手続資料にたどり着きました。

資料には、次の趣旨が記載されています。
土地所有者・占有者、またはその同意を得た者、国または地方公共団体の業務として飛行する者以外は、対象防衛関係施設の管理者から同意を得る必要があります。
文章だけを読むと少し分かりにくいのですが、今回については、実際に飛行する土地の管理者から同意を得ていました。
防衛省資料の手続図では、土地所有者・占有者、またはその同意を得た者は、対象施設周辺地域を管轄する警察署へ事前通報する流れとして示されています。

同資料では、飛行開始の48時間前までに、対象施設周辺地域を管轄する警察署などへ所定の通報書を提出すること、また、土地所有者・占有者の同意を得て飛行する場合は、その同意を証する書面の写しを提出することが示されています。
対象防衛関係施設や対象空港では、警察への通報とは別に、施設管理者への通報や同意取得が必要になる場合があります。実際の飛行場所がどの対象施設に関係するのかを確認し、判断に迷う場合は、管轄警察署や地方防衛局等へ事前に確認した方が安全です。
どの警察署に通報するのか
対象施設と管轄警察については、警察庁の「小型無人機等飛行禁止法に基づく対象施設の指定関係」のページから確認できます。
同ページには、対象施設ごとに「管轄警察リンク」が掲載されています。
注意したいのは、必ずしも「離着陸場所から最も近い警察署」が提出先になるとは限らないことです。対象施設周辺地域を管轄する警察署を確認し、判断に迷う場合は、提出前に電話で確認するのが確実です。
e-Govからオンラインで事前通報する
現在は、警察署の窓口だけでなく、e-Gov電子申請サービスからオンラインで通報できます。
今回、私はe-Govのアカウントを作成し、オンラインで手続を行いました。
実際の申請画面では、提出先として警視庁を選び、続いて対象地域を管轄する警察署を選択しました。画面の分類名や構成は今後変更される可能性があるため、実際の表示に従ってください。
今回入力・添付したもの
- 通報者の氏名、住所、連絡先
- 飛行日時と飛行目的
- 飛行区域を示す地図
- 使用する機体の情報
- 機体の登録記号
- 土地管理者の同意を証明する書面
- 操縦者本人を確認できるもの
土地管理者の同意書については、当方で作成した書式に、土地管理者様から記入していただいたものを使用しました。今回は、本人確認をより確実にする意図で運転免許証の写しも添付しました。ただし、運転免許証などの本人確認書類が常に必要とは限りません。任意の資料を添付する場合は、個人情報を必要以上に提出しないよう注意が必要です。
e-Gov上では「審査」と表示される
この手続は、警察から飛行許可を取得する制度ではなく、小型無人機等飛行禁止法に基づく事前通報です。
一方で、e-Govの申請案件状況画面では、送信後の処理状況が、実際に「審査開始」「審査終了」「手続終了」と表示されます。

e-Gov上では「審査」と表示され、警察側で記載事項や添付資料の確認が行われます。ただし、手続の法的な性質は「許可申請」ではなく「事前通報」です。したがって、本記事では「許可が下りた」「審査に合格した」ではなく、「不備なく受付が完了した」「通報受付の通知が届いた」と表現しています。
最大の注意点は「飛行開始48時間前まで」
小型無人機等飛行禁止法では、原則として、飛行開始の48時間前までに通報する必要があります。
ここで注意したいのは、単にe-Govの送信ボタンを押せば、どのような内容でも直ちに有効な通報として扱われる、と考えない方がよいことです。
記載事項や添付書類に不足があれば、警察から確認や補正を求められる可能性があります。法律上の「48時間前まで」という期限と、担当部署が内容を確認し、受付の通知を送るまでの時間は、分けて考えた方が安全です。
日曜日に送信して、火曜日の正午から飛ばせるのか
今回、e-Govから通報を送信したのは日曜日の午前11時ごろで、予定していた飛行開始時刻は火曜日の正午でした。
時間だけを見れば約49時間あります。しかし、休日中にも内容確認が行われるのか、それとも月曜日からの対応になるのかが分かりませんでした。
そこで、月曜日の午前中に管轄警察署へ電話し、状況を確認しました。
電話でのやり取りから受けた印象では、休日に通常どおりの確認作業が行われるとは限らないものの、担当部署としては、可能な範囲で飛行予定に間に合うよう処理を進めているようでした。
ただし、これは今回の管轄署における個別の対応から得た印象であり、全国共通の運用を確認したものではありません。
今回は記載内容と添付書類に不備がなかったため、修正や再提出を求められることなく、通報受付の通知が届きました。
「48時間前ぴったり」は避けた方がよい
今回の経験から、実務上は48時間前ぎりぎりの通報はおすすめできません。
- 土曜日、日曜日、祝日を挟む場合
- 初めて手続を行う場合
- 飛行区域が複数の警察署管轄にまたがる場合
- 複数の対象施設周辺地域が重なっている場合
- 土地の権限関係が複雑な場合
- 防衛関係施設や空港周辺で、別途施設側への手続が必要な場合
- 添付する地図や同意書の内容に不安がある場合
法令上は「48時間前まで」ですが、業務で確実に飛行日を押さえるのであれば、可能な限り数営業日前から準備しておく方がよいでしょう。
土地管理者の同意は「離着陸場所だけ」ではない
ここは、特に注意が必要な点です。
土地所有者・占有者の同意によって例外飛行を行う場合、問題となるのは、単にドローンを離着陸させる場所だけではありません。
例外として認められるのは、土地所有者・占有者、またはその同意を得た者が、正当な権限を有する当該土地の上空で行う飛行です。
したがって、離着陸場所について同意を得ていても、その後に道路、河川、公園、隣接する私有地などの上空へ入る計画であれば、その部分について別の権限や手続が問題になる可能性があります。
確認すべき三つの範囲
- 実際の飛行経路
- 土地管理者から同意を得た範囲
- 通報書に記載・添付した飛行区域
この三つを一致させることが重要です。「離着陸地点」だけではなく、実際に機体が通過する空間の直下にある土地まで含めて考える必要があります。
まとめ
2026年7月14日の法改正により、東京都内では小型無人機等飛行禁止法の対象地域が大きく広がりました。
これまで航空法上のDID、夜間飛行、目視外飛行などだけを確認していた場所でも、新たに小型無人機等飛行禁止法の対象となっている可能性があります。
今回、実際にe-Govから事前通報を行った限りでは、必要事項と添付資料をそろえることで、オンラインで手続を進めることができました。
- 航空法の許可・承認とは別の手続である
- 飛行開始48時間前までの事前通報が必要
- 土日祝日を挟む場合は、時間に余裕を持つ
- 対象施設によって必要な同意や通報先が異なる
- 複数の対象施設が重なる場合がある
- 土地管理者の同意は、離着陸場所だけの話ではない
- 防衛関係施設などでは、警察以外への手続も確認する
また、これは「警察から飛行許可を取得する制度」ではありません。
必要な同意を得たうえで、法令に定められた内容を事前に通報する制度です。通報受付の通知が届いたからといって、航空法、道路交通法、自治体条例、施設管理規則など、ほかの規制まで満たしたことにはなりません。
都内でドローンを飛行させる場合は、対象エリアの確認から各種許可・同意、事前通報まで、できるだけ早い段階で準備を始めることをおすすめします。
参考リンク
本記事は、2026年7月時点の公表資料および当方が実際に行った手続をもとに作成しています。法令、対象施設、対象地域および電子申請の仕様は変更される場合があります。また、飛行場所や飛行内容によって必要な手続は異なります。実際の飛行にあたっては、警察庁、防衛省、国土交通省、管轄警察署、施設管理者等の最新情報をご確認ください。

