コラム
ドローン撮影の申請は複雑|申請が必要なケースと流れ
投稿日/2025.08.29
ドローンで空撮をしてみたいと思ったとき、多くの方が最初につまずくのが「申請」の問題です。飛ばす場所や方法によっては、法律に基づいて許可や届出が必要となります。さらに、申請は1種類ではなく、飛行の状況によって複数の手続きが絡むことも少なくありません。
本記事では、ドローン飛行における申請の基本的な考え方を整理し「なぜ手続きが複雑なのか」をわかりやすく解説します。
この記事の目次
ドローン撮影に申請が必要なケースとは?
ドローン飛行は自由にできるように見えて、法律やルールで細かく制限されています。
たとえば、人口集中地区での飛行や150m以上の高度、夜間の飛行などは航空法に基づく申請が必要です。
さらに、イベント会場や公園など自治体が管理する場所では、独自の禁止ルールが設けられていることもあります。私有地の上空を飛ばす場合も、土地の所有者の同意を得るのが原則です。
このように「飛ばす環境や状況」によって必要な手続きは変わり、単純ではありません。
(関連記事:ドローンの飛行禁止区域・空域まとめ|空撮前にチェックすべき場所一覧)
ドローン申請に関わる6つの法律と条例
ドローン飛行に関連する法律・条例は、主に次の6つです。
■ 航空法
■ 小型無人機等飛行禁止法
■ 民法
■ 電波法
■ 道路交通法
■ 都道府県や市町村の条例
どの法律も、航空機や建物、人との衝突を避けるなど安全確保を目的としていますが、申請先や求められる書類はそれぞれ異なります。
法律の組み合わせによっては複数の手続きを同時に進める必要もあり、飛行前に確認しておかなければなりません。
1回の飛行でも複数の申請が必要になることも
ドローン飛行における申請の難しさは、1回の撮影であっても複数の法律が関わる点にあります。
たとえば「都市部で夜間にイベントを空撮する」場合、航空法(夜間飛行・人口集中地区)、小型無人機等飛行禁止法(重要施設周辺)、自治体条例(公園使用禁止)など複数の制限が一度に適用されます。
つまり、飛行する場所によっては、1つの申請だけでは足りず、複数の機関に並行して手続きを進めなければなりません。
こうした複合的な手続きが必要になることこそが「ドローンの申請は難しい」といわれる理由のひとつです。
自分で申請する流れ
ドローンの飛行申請は、ただ「申し込む」だけではなく、いくつかの段階を踏んで準備を整える必要があります。申請先や求められる書類も複数にわたるため、流れをあらかじめ理解しておくことが重要です。
大まかなドローン申請の流れは、次のとおりです。
■【STEP1】アカウント作成と申請システムの利用
■【STEP2】関連機関への申請や許可取り
■【STEP3】必要書類の準備
■【STEP4】審査と許可の取得
それぞれの概要を見ていきましょう。
■【STEP1】アカウント作成と申請システムの利用
国土交通省が運営する「DIPS」というオンラインシステムにアクセスし、利用者アカウントを作成します。そのうえで、飛行予定の日時や場所、飛行方法などの基本情報を入力していきます。
■【STEP2】関連機関への申請や許可取り
航空法の申請だけでなく、必要に応じて警察署や自治体、土地管理者に個別の申請や承諾を得なければなりません。例えば道路上で離着陸する場合は「道路使用許可」、公園で飛ばす場合は自治体への確認などが必要です。
■【STEP3】必要書類の準備
航空法関連の申請では、飛行マニュアルや操縦者の経歴をまとめた資料、機体の仕様がわかる写真や図面など、複数の書類を用意する必要があります。書類の不備があると審査が進まないため、細部まで注意が欠かせません。
■【STEP4】審査と許可の取得
申請を提出すると審査に入りますが、許可が下りるまで数週間かかる場合もあります。撮影日程が決まっている場合は、余裕を持って申請を進めることが不可欠です。
自分でやると大変な理由
申請自体はオンラインでできるものの、法律の知識や専門用語を理解して書類を整えるのは容易ではありません。
さらに、提出先は国交省や警察署、自治体など複数に分かれ、書類不備があると許可が下りるまでに時間がかかります。飛行当日までに間に合わず、結局ドローンを飛ばせなかったというケースも珍しくありません。
安全確保のために保険や管理体制を整える必要もあり、個人ですべて対応するのは負担が大きいのが実情です。
申請が通ったからといって自由にドローンは飛ばせない
ドローン飛行のための許可や承認を取得しても、それだけで自由に空撮ができるわけではありません。特に人が多く集まる市街地では、法律や条例以外にも、プライバシーの問題や安全確保が欠かせません。
通行人や近隣住民が意図せず映り込むことがあり、撮影前の告知やアングルの工夫など慎重な対応が求められます。
また、子どもや動物、車両の往来など予期せぬリスクがあり、飛行時は常に周囲の状況に注意する必要があります。
さらに、ドローンの離発着場所をどう確保するかも重要な課題です。
庭や駐車場、建物の屋上など、広さと安全を満たした場所を選び、必ず管理者の承諾を得ることが前提となります。
まとめ
空撮のためにドローンを飛行させるには、いくつもの法律が関わり、1回の飛行であっても複数の申請が必要になる場合があります。
申請の流れを把握していても、実際には書類作成や確認事項が多く、時間や知識が求められるのが実情です。飛行の計画を立てる際は、余裕をもった準備と正確な情報収集が欠かせません。
まずは、自分が行いたい飛行にどの法律やルールが関わるのかを整理し、必要な手続きを確認することから始めましょう。
自身でのドローン手続きに難しさを感じたら、ひとつの選択肢として、プロへ依頼することを検討してみてもよいかもしれません。