コラム
東京の水上でドローンを飛ばす(その2)
投稿日/2025.07.09
本記事は「東京の水上でドローンを飛ばす(その1)」の続きとなっております。その1では、東京における河川ごとの飛行ポイントをまとめていますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。
また、このコラムではドローン飛行に関する私たちの経験をもとに執筆しておりますが、法律の専門家ではございません。飛行の際は、必ずご自身で法令や必要な手続きについて確認をお願いいたします。
東京湾・海上で飛行する際に確認している主な2点
東京の水上でドローンを飛ばす場合、確認に必要になるのは主に次の2点となっております。
◼︎ 1つ目:海上保安部への確認
◼︎ 2つ目:東京港への確認
それぞれについて、詳しくご紹介いたします。
1つ目:海上保安部への確認
当然ながら領海内での飛行となりますが、そもそも東京における「海」とはどこからを指すのでしょうか?
「海しる」によれば、地図の赤枠内が港則法の適用区域となっており、以下がそれぞれの境界とされています。
◼︎ 隅田川では「永代橋」
◼︎ 荒川では「葛西橋」
したがって、これらの橋よりも下流は「海」とみなすことが多くなっています。
なお、隅田川に関しては、かつては勝鬨橋までとされていましたが、2018年の築地大橋の開通以降は、築地大橋が対象とされるようになりました。
また、ドローンの飛行が港則法によって直接的に規制されているかどうかとは別に、海上保安部(東京・千葉・横浜)にとっては「行事」として取り扱われることになります。
そのため、私たちは「いつ・どこで・どのように飛行するのか」を事前に連絡し、対応の判断を仰いでおります。
これまでの実績では、判断は以下の3段階に分かれていました。
◼︎ 1.届出不要
◼︎ 2.お知らせ
◼︎ 3.行事届出
これらは、特に船からの飛行の場合(私たちのケースでは大半がこの形態)、船の隻数や飛行方法・内容によって判断が変わります。
「行事届」の場合は、申請から受領まで原則30日を要すため、撮影の日程から逆算して申請を行わなければなりません。
しかし現時点では、1隻の船から離着陸し、風景を撮影するような内容であれば「お知らせ」で済むケースが多く、比較的スムーズに対応していただいております。
2つ目:東京港への確認
こちらは主に東京港管理事務所が窓口となります。
ただし、東京湾での空撮については「許可を求めてOKが出る」類のものではありません。
仮に埠頭で飛行する場合、その埠頭を管理している会社や組合等からの許諾を得たうえで、東京港管理事務所に行事届を提出し、受領してもらうという流れになります。
このときの「東京港」とは、水上だけでなく陸上の関連施設も含まれる点に注意が必要です。
例えば、以下のようなケースがあります。
◼︎台場公園の海上(ただし海浜公園に該当しない部分、旧防波堤の内側など)は、東京港管理事務所の中でも臨海地域管理課の管轄となっており、確認時点では飛行は不可とされていました。
◼︎令和島や海の森付近などでは、公園、道路、海上といったエリアごとに管理者が異なるため、個別に確認を取る必要があります。
まとめ
海上保安部への確認・東京港への確認のいずれにしても、提出すべき書類は書類として提出するとして、東京湾やその他の海上での飛行においては、現実的に注意すべき点が非常に多いことを強く実感しております。
それらの具体的な注意点については、またの機会に改めて書かせていただきます。